④事故防止マニュアル
2021年5月31日(月)
一.危機管理について
災害時、緊急時の連絡体制
1.災害時、緊急時の指揮権順位、役割分担
◆指揮権順位
◆役割分担
役割 担当者 備考
防災(火)責任者 園長
通報 主任保育士 110、119等への通報
非常時重要文書類持ち出し 事務員
避難誘導 総責任 園長
1階責任 未満児リーダー
2階責任 以上児リーダー
消火 3名程度 原則として付近にいる者
火元の点検、ガス漏れの有無、ポットの電源の確認
※朝夕の保育時
通報、避難誘導、人数の把握:当番保育士(2名以上)
※土曜保育時
(午前)通報、避難誘導、人数の把握:1階、2階の早番保育士
(午後)通報、避難誘導、人数の把握:1階、2階の遅番保育士
◆災害に対する情報の入手方法
発表情報 発令情報 入手方法
気象情報、台風情報
大雨警報、洪水警報、大雪警報
暴風雪警報、暴風警報
大雨特別警報(浸水害) ・避難準備/避難開始
・避難指示(緊急) テレビ、ラジオ、インタネット
緊急速報メール、市からの配信FAX、消防団、警察、近隣住民などの声かけなど
2.保護者への連絡体制の整備
・毎年4月に緊急連絡名簿を作成し、事故防止委員で連絡体制の確認(連絡名簿の配布、分担等)を行う。名簿内容に変更があった場合は、その都度更新する。
・緊急連絡に際しては、事故防止委員で協議し伝達内容を決定し、一斉送信メールか電話で父母に連絡する。
(1) 避難場所
◆第一避難場所(人数確認・けが人の応急手当等行う)~園庭
◆第二避難場所(火災・破損等により園舎が危険な状態の場合移動する)
~教育大学旭川校・大有小学校
(2) 避難先を玄関に表示
(3) 職員の連絡体制および参集基準と参集方法
・連絡体制
園長 主任 事故防止委員 職員
・参集方法
① 災害の発生のおそれがある気象情報の発表まで猶予があるとき
・電話連絡で出勤要請
・通常の出勤手段を用いる
・出勤可否を電話で返信
② 災害が発生もしくは発生が予測され、緊急に招集する場合
・電話連絡で出勤要請
・通常の通勤手段を利用できない場合、徒歩などで安全を確保できるもののみ出
勤
・出勤可否を電話で返信
③ 出勤可否連絡方法
速やかに対応可能職員を把握するため、参集できる、出来ないにかかわらず、必ず連絡すること。
(4) 園児の引き渡し、残留園児の保護
・地震、火災、風水害等の災害、事件、事故等により通常の保育が不可能となった場合、園児は速やかに保護者に引き渡す。また引き渡しの際は、名簿と照合の上、日時を記入する。
・保護者が保育時間内に園児を引き取ることが困難な場合は、保育園または避難場所において保護者が引き取りに来るまで保護する。
(5) 関係機関緊急時連絡先
緊急連絡先 電話番号 住所 その他
警察 110 事件、事故
中央警察署 25-0110 6条通10丁目
大町交番 51-6460 大町
消防 119 火事、救助、救急車
北消防署 51-8138 大町3条5丁目
保健所 25-6354 7条通10丁目
市役所子ども育成課 25-9844 7条通10丁目
子ども総合相談センター 26-5500 10条通11丁目
土田こどもクリニック 55-0202 旭町2条10丁目(水・土 午後休診)
一条通病院勤医協
小児科 34-2111 東光1条1丁目
(水 午後休診、第2・4土休診)
高木小児科 22-7831 3条通2丁目 (土 午後休診)
株本整形外科 53-1116 川端6条10丁目 (水・土 午後休診)
森山病院 45-2020 宮前2条1丁目
(土 午後休診/第1・3土 休診)
進藤病院 31-1221 4条通19丁目
(土 午後休診/第2土 休診)
もとまち皮膚科 55-4112 本町3丁目
(木・土 午後休診)
駅前皮ふ科 76-4612 宮下通7 駅前ビル4F
(水 休診)
丸山歯科医院 52-7575 川端3条8丁目 (土 午後休診)
富山耳鼻咽喉科 51-0515 本町2丁目 (木・土 午後休診)
おおしま耳鼻咽喉科 50-3387 錦町15丁目 (水・土 午後休診)
あさひ眼科 59-7700 旭町2条10丁目 (火・土 午後休診)
こんの優眼科 25-8341 曙1条6丁目 (土 午後休診)
あけ美肌クリニック 23-7101 宮下通9丁目 たまメディカルビル2F (火 休診)
あさかわ整骨院 52-6549 旭町2条1丁目 (土 午後休診)
旭川赤十字病院 22-8111 曙1条1丁目 (土 休診)
旭川厚生病院 33-7171 1条通24丁目 (土 休診)
旭川市立病院 24-3181 金星町1丁目 (土 休診)
旭川医科大学病院 65-2111 緑ヶ丘東2条1丁目 (土・平日午後休診)
勤医協北医院 53-2111 大町2条14丁目
(第2・4土・平日午後休診)
旭川ガス 23-4135
北海道電力 0120-060-124 停電・電柱・電線などの設備に関する問い合わせ
水道局 24-3163
NTT(修理サービスセンター) 0120-140-832
災害案内 23-7119
(6) 災害等に対する環境準備
項目 実施時期 備考
避難、防災訓練 毎月 ・避難経路、避難方法の確認
・園の外周フェンス等の確認
・園児を含めた避難訓練(毎月1回)
他、地震・洪水の為の避難訓練(各1回)
・消火器使用方法習得のための訓練
(年1回以上)
・救命救急講習参加
・非常警報設備等の保守点検、消火用具の点検(年2回以上)
設備の整備等 随時 ・非常食を、2階に常備する。
・大型遊具や戸棚等は金具等で固定する。
・ピアノはキャスター止めする。
・カーテンは防炎処理したものを使用する。
・ひよこ組におぶり紐を4本常備する。
・年度初めに、避難時に備えて園児の衣類一式を園で保管する。
・午睡時は、非常時に備えて着衣で午睡する。
防災計画の提出 変更時 ・設備等に変更が生じた場合に消防署へ届け出る。
地域住民との関係構築 随時
二.災害、事故、食中毒等への対応方法
1.火災発生時の対応
① 火災発生時の手順
発生時の基本的な流れ
火災発見 → 報告 → 通報連絡 → 避難誘導
→ 初期消火
② 保育中に火災が発生した場合
・火災の発生を発見したら(第一発見者)、発生場所を大きな声で周りの職員に知
らせる。
・知らせを受けた職員は、火災の発生を速やかに園長に知らせ、非常ベルを鳴ら
し、消防署に通報する。
・園長は、火災場所と避難経路を全職員に指示する。
・職員は園児を避難させる(残留園児の有無を確認、園児の人数を把握し、責任
者へ報告する)。
・落ち着いて行動することを心掛け、園児に動揺を与えないように努める。
・出火元、火の回り具合、煙、風向き等を考え、より安全な方向の場所に避難す
る。
・第一発見者および消火係は、逃げ道を確保した後に、可能な限り初期消火に努
める。ただし、火が天井まで登っている場合は、消火作業をせずに早急に避難する。
・その後職員は、園長の指示に従い行動する。
・安全な場所に避難後、保護者に連絡をし、状況によっては園児の引き渡しをす
る。
・火災により翌日以降保育を行うことが困難な場合は、園長により行政に連絡し、
今後の対応について相談する。
2.地震発生時の対応
① 地震発生時の手順
地震発生 → 保育室のストーブを消す、給食室は火元を止める
→ 避難経路の確保 → 避難
③ 園舎内
・倒れやすいもの等から園児を遠ざけ、机等の下に身を隠すか、部屋の中央付近
で姿勢を低くして動かないように指示し、揺れが収まるまで様子を見る。
・戸やサッシ等を開けて避難口を確保する。
・乳児等介助を必要とする園児は、職員がおぶったり抱いたりして部屋の中央付
近に集める。
・揺れがおさまったら一時園庭へ避難し、全園児と職員の安全と人数の確認を行
う。
・誘導係の指示を受けるまで園庭で座って待機し、施設内には安全の確認ができ
るまで立ち入らない。
・揺れが収まったら、ガスやコンセント、園舎内や配電盤を点検する。
・施設内および近郊において火災が発生した場合は、火災発生時の流れに沿って
行動する。
④ 園舎外(園庭、2階屋上、1階ベランダ)
・園庭では、塀、建造物から遠ざけ、出来るだけ中央の安全な場所に集め座って、
安心できるような言葉をかけ、揺れの収まりを待つ。
・地面の亀裂、陥没、隆起、落下物に注意する。
・ベランダでは揺れがおさまるまで座って待機し、揺れが収まってから園庭へ避
難する。
・園庭に避難後、園児の安全と人数を確認し、指示があるまで園庭で待機する。
⑤ 園外保育(散歩、遠足等)
・揺れを感じたら直ちに園児を集めて、出来るだけ塀や建造物から遠ざけ、しゃ
がんで揺れが収まるのを待ち、その後速やかに園児の安全と人数を確認する。
・携帯電話で保育園に連絡を入れ、保育園に応援を要請する。連絡がつかない場
合は、保育士1名が保育園に戻る。残った保育士は園児と共に近隣の安全な場所で待機する。
・全員が無事に自力で戻れるようなら、安全を確認しながら慎重に保育園に戻る。
⑥ 朝夕保育中
◆基本的には(2)園舎内で地震が起きた場合を参考とし、その他注意すべきこ
とを以下のとおりとする。
・居合わせた保護者に協力を求め、避難行動を指示する。
・登園して(残って)いる園児の氏名や人数等を、保育出席簿で把握、確認して
記録する。
・随時出勤してきた職員は、速やかに応援に入る。
・保育園より半径2km以内に居住または所在の職員は、速やかに保育園に集まる。
3.風水害への対応
・行政または報道等により避難指示が発令された場合、保護者に連絡し、園児は
速やかに保護者等へ引き渡す。
・避難指示が発令されない限り原則として閉園はしないが、登降園時に危険を伴
う可能性がある場合は、保育園は警察や行政機関と連絡を密にし、園内の掲示板、ホームページの掲示板等を利用して情報公開と注意喚起に努める。
4.落雷時の対応
◆落雷時の心得
・原則として落雷時及びその兆候が見られる場合には、屋外活動を中止し安全な屋
内に避難する。
◆落雷の兆候
・かすかでも雷鳴が聞こえるとき。
・あられ や ひょう がパラパラ降ってくるとき。
◆対応方法(屋内活動時)
・電化製品のコンセント、電話線をプラグから抜く。抜くことができない場合には園児を1m以内に近づけない措置をとる(立入禁止とする)。
◆対応方法(屋外活動時)
・園に戻れる場合はすぐに引き返す。
・車の中は安全なので車内で避難する。
・園に引き返す途中で、雷が近くまで来てしまったら、付近の公共施設、商店等に避難し、さらに園に応援を要請する。
・避難場所が全くない場合は、以下の方法をとりながら安全な場所まで移動する。
◇できるだけ姿勢を低くして移動する。
◇棒状の長いものを手放す。
◇落雷の間隔は約1分あるので、その間に少しずつ避難する。
◇4m以下の木には近づかない。
◇4m以上の木の根元から2~4mの範囲で、幹、枝、葉先から2m以上離れた場
所に避難する。
◇配電線の真下で、電柱から2m以上離れた位置に避難する。
◆その他注意事項
・金属を外しても全く関係ない。
・レインコート、長靴等は役に立たない。
・テントの中は非常に危険である。
5.散歩中の事故、事件への対応
◆予防
・行き先を事務室の用紙に書いていく。
・基本的には単数保育士での園外保育はしない。
・3点セット(防犯ベル・携帯電話・ホイッスル)を携帯する。
・応急処置の出来る救急用具(滅菌ガーゼ・カットバン・皮膚洗浄綿)を携帯する。
・ホイッスルは、子どもを集める、危険を知らせる等に利用する。
・年齢の特徴や発達を考慮し、遊ばせ方や遊び場所を選ぶ。
・自転車の往来のあるところは、車の時同様端を歩き、自転車が来た時にはその旨を伝える。
・現地に着いたら、子どもとともに行動範囲を確認する。
・動物には基本、触らず見るだけにする。
・散歩先などで今までと違う危険と思われる事・物(ハチやカラスの巣など)があった場合は、その状況を把握し、情報を職員で共有する(見る、聞く、伝える)。
・公園に着いたら、公園内(遊具や、ゴミがないか)を点検してから子どもたちを遊ばせる。
・公園ではブランコ・滑り台・ジャングルジム・砂場等に付き、視野に入れる。
・公園から出ていきそうな子どもから、目を離さない。
・散歩先や保育内容などが、変更になった時は保育園に連絡する。
◆人数把握及び安全対策
・出発時、帰る時、場面が移動したとき、などその都度人数把握する。複数の職員が当たる時は、声を出して互いに確認する。1人の時も声に出して確認する。
・複数で引率し、園児が分かれるときは、互いに何人(誰)に責任を持つのかを明確にする。
・散歩での出発時、帰る時などは、2人組で手を繋ぐ相手は基本的に同じ子どもとし、保育士も園児も人数把握しやすい手立てを取る(3人ではつながない)。
・公園・遊歩道などでは、死角になる所を意識し、子ども達の行動を把握する。
・各クラスで同じ場所に出かける時はあるが、出来るだけ把握しやすいようにクラス単位で行動する。縦割りで合同保育の時は十分注意する。
・個別対応が必要な園児には、誰が責任を持つのかを明確にし、引率者同士で確認する。
・途中の園児の行動範囲は、引率保育士の把握可能範囲とし、必要以上に互いの距離をおかない(声が通る・走って追いつく、など静止が効く範囲)。
・道路を横断するときには、先頭・最後尾に保育士が付くとともに、横断中は道路及び横断歩道内で横断移動中の園児の安全把握に努める。その際、先頭の園児に所定の場所で待っていることを指示する。
・車道及び歩道は、自動車の危険があるため、手を繋ぐ・又は散歩車等で移動する。
◆対応
・一人の保育士が事故の対応をし、もう一人の保育士は他の子どもを集め保育園に連絡し、場合によっては応援を要請する(保護者へは、保育園から連絡する)。
・子どもの安全を守ることを第一とし、子ども達を集めて落ち着かせて移動する。
・近くにいる人に大声で助けを求める。
・事故の状況によっては、病院に搬送する。
・状況に応じて警察に通報する。
三.避難訓練
(1) 実施回数
年14回
(2) 避難訓練の参加者
常勤保育士、非常勤保育士、園児、調理員、栄養士
(3) 想定する災害の種類
火災、地震、洪水
(4) 避難場所
園庭、園舎前、一時避難→緑道、2階屋上
(5) 避難訓練の内容
・迅速に避難できるか
・災害時における役割分担のとおりに対応できるか
・消火器を使用した初期消火の訓練
四.乳幼児突然死症候群(SIDS)の予防について
それまでの健康状態、及び既往歴からその死亡が予想できず、しかも死亡状況および剖検によってもその原因が不詳である乳幼児に突然の死をもたらす症候群を乳幼児突然死症候群(SIDS)と呼ぶ。
1997年には年間538人が亡くなっていたが2019年には78人が亡くなっている。生後1~4ヶ月頃が最も多く、ほとんどが1歳までに発生している。原因が解明されていないが、寒いとき、うつぶせ寝、人工乳による哺育、保護者の喫煙等の要因が確認されている。
(1) 対策
・うつぶせ寝にしない。
・0.1歳児は顔の周りにタオルを掛けない。
・タオルケット、毛布は顔にかからないようにする。
・枕元に不要なものは置かない。
・寝ている時は必ず保育士が付き、チェックを行う(0歳児睡眠チェック表使用)。
・午睡時の室温は24~26℃が適温。
・床暖は必ず切る。床暖がついている時、床暖の上ではたとえ短時間でも寝かせない。
(2) 無呼吸に気づいたとき
・すぐに背中を強く叩き、刺激する(約5回)。
・すぐに他の職員に知らせ、119番通報する。
・口の中を一かきして、何か入っていないか確かめ、気道を確保し、蘇生をはじめる。
・保護者に連絡する。
五.保育中の安全対策、注意事項(全クラス共通部分)
ここでは、保育中の注意事項を場面ごとに示すが、保育士が実施する項目を◆、園児に保育中の中で伝えていく項目を◇で区別した。異年齢保育の際は、発達の段階を踏まえて(運動、認識)必要な配慮をする。
■生活
◆保育士は全体が見渡せる場所に位置づく。
◆戸や窓の開閉時には手足を挟まないように気をつける。
◆除去をしている園児の給食は、食べさせる前に名前と内容を確認する。
◇転ばないように靴下を脱ぐ。
■室内
◆目の届く範囲で遊ばせる。
◆園児の手の届く高さに、落下した場合に危険を及ぼすものを置かない。
◆危険な物品等は、クラス単位で子どもの手の届かない位置に保管する。
◇走り回らない。
◇物を投げない。
◇ふざけて椅子の上に立たない。
◇椅子は決まった数以上は重ねない。
りす組・うさぎ組は2脚、ぱんだ組は3脚、きりん組・らいおん組は4~5脚
◇階段や窓からは物を落とさない。
◇階段の手すりに上がらない。
◇椅子は両手で持ち運ぶ。
■遊戯室
◆階段付近、階段での注意事項を伝える。
◆体育用具を使用する場合は、必要に応じてマットを敷く。
◆手足を挟まぬよう扉の開閉には特に注意する。
◇園児だけで遊ばない。
◇ピアノのふたを開けない。
■園庭
◆入出時には人数を確認する。
◆鉄柵の開閉は保育士が行う。
◆積雪が多い時期は、玄関への通路や柵や園庭フェンス側を見渡せるようにする。
◆園児だけで玄関への通路へ行かせない。
◆滑り台裏、屋上への非常階段前など、見通しのきかない所には特に注意する。
◆保育士の人数、時間によって遊ぶ範囲を決める。
■散歩
◆散歩コースの危険個所(自動車や自転車の往来が激しい、信号・死角がある等)
事前に確認する。
◆携帯電話、救急バック、ホイッスル、防犯ブザーを所持する。
◆出発時、帰園時、目的地出発時等必要に応じて各年齢、総数での人数確認を行う。
◆行き先、遊ぶ内容が変更するときは園に連絡する。
◆門から出る時は、最初に保育士が出て自転車の往来等危険がないか確認してから、園児の移動を始める。
◆先頭と後方に保育士がついて園児を把握し、また間隔があまり開かないようにする。
◆交差点の手前では必ず一時停止する。信号機のある交差点においては信号を確認してから横断する。
◆車の出入りに注意する。出入りのありそうな場合は必ず一時停止させる。
◆死角になる所では全員が揃うのを確認する。
◆遊歩道等で自転車が通るときは脇によけるよう促す。
◆保育士が見えない所、人気のない所、見通しのきかない所へは行かないよう、現地で行ってよい範囲を園児に伝える。
◆動物(犬等)には触れさせない。
◇前後の保育士の間を歩く。
◇車道側を歩かない。
◇「走らないでね」、「待っててね」と言われたら止まって待つ。
◇緊急時ホイッスルが鳴ったら、保育士の付近に集まる。
■園外での情報をキャッチした時
・散歩先などで、今までと違った状況がある時や、危険と思われること、物があった時は、その状況を把握する(見る、聞く、伝える)。
・緊急と思われる情報は、各クラスのリーダーに報告し、園長に報告し全体に周知する。
・緊急ではないが、知らせておいた方がよい事は園日誌に記入する。
六.保育中の安全対策、注意事項(クラス別)
1.ひよこ組(0歳児クラス)
① 0歳児の特徴
「見る、聞く、触れる、味わう、嗅ぐ」という5つの感覚が急激に発達していく時期である。この五感を働かせながら「見たい」「触れたい」気持ちに支えられて、新しい姿勢、運動機能を獲得していく。運動機能の獲得が進むと、段差を登り始め、高さを好むようになるが、高さの認識は月齢によって異なる。おもちゃ等を手に持つようになると口に入れて確かめる。0歳前半の受け身状態から、徐々に人や物に関わり始めるようになると、大人のしていることや使っている物に関心を示しだす。良し悪し、安全と危険の判断はつかない。
② 保育中の注意事項
ここでは、保育中の注意事項を場面ごとに示すが、保育士が実施する事項を◆、園児に保育の中で伝えていく項目を◇で区別した。
■生活
◆食べ物を口の中に詰め込み過ぎないよう注意する。
◆母乳、ミルクを間違えないように、哺乳瓶には名札を付ける。
◆うつぶせ寝をさせない。
◆園児が寝ている時には、保育士が必ず10分おきに午睡チェックをする(個別)。
◆顔の周りにバスタオルを敷かない。
◆午睡の時は、子どもの様子が見える程度の明るさを保つ。
◆冬季の午睡時は、暖房を調節する(低温やけど、突然死、アトピー性皮膚炎のかゆみ等の防止のため)。
◆口に触れるおもちゃはその都度消毒し、1日の終了時にはおもちゃ、窓、サークル、床など手で触れたところを全て消毒殺菌する。
■室内
◆月齢にあわせておもちゃを選択する。
◆誤飲しない大きさのおもちゃを与える。
◆なめて遊ぶ時期には、可能な限りプラステックのおもちゃを与えない。
◆月齢にあわせて、サークルなどを使用する。
◆調乳室の扉の鍵は必ず閉める。
■1階ホール
◆園児が階段滑り台・三角マット等で遊ぶ場合は、周辺にマットを敷き、保育士は傍に寄り添う。
◆1歳児と合同でホールを使用するときは、1歳児との関わり方や出す遊具に注意する。
■園内
◆階段の移動時は子どもは四つ這いとし、保育士は必ず傍に付く。
■園庭
◆砂や草等を口に入れないように注意する。
◆異年齢で活動するときは、園児の動きに特に注意する。
■散歩
◆歩行が確立した園児をワゴンやベビーカーから降ろす可能性がある場合は、保育士は複数で引率する。
◆ベビーカーでの散歩は、保育士1名の引率で行うことが出来る。
◆歩行が確立していない子どものベビーカーでの乗降は、玄関内で行う。
◆ベビーカーの乗降時にはブレーキをかけ、落下にも気を付ける。
◆池の周辺、交通量の多い道路付近では、ベビーカーから降ろさない。
◆タバコ、石や虫、棒、ゴミ等落ちている物を口に入れないように特に注意する。
◆園児が拾い、持ってくる棒等に注意する。
2.りす組(1歳児クラス)
① 1歳児の特徴
友だちや大人のまねをする気持ちが育ってきて同じようなことをする。歩行が確立する時期である。自分で体勢をかえたり、その場飛びや、高さのあるところから飛び降りることが出来る。大人の簡単な言葉がけで行動できるようになりはじめるが、禁止の言葉がけでは(「いかないで」「しないで」といわれる)行動を止められない。安全、危険の判断はつかない。
② 保育中の注意事項
ここでは、保育中の注意事項を場面ごとに示すが、保育士が確実に実施する項目を◆、園児に保育の中で伝えていく項目を◇で区別した。
■生活
◆食後ホールに出る時は、3~4人が食べ終わった時点で保育士がついて出る。人数によって保育士の人数も増やす。
◆口に触れる可能性のあるおもちゃは消毒する。
◆連絡ノートは、ファイルたてに入れて、子どもの手の届かない場所に置く。
◆危険な物(ハサミなど)は子どもの手の届かない場所に保管する。
◆午睡時は保育士がつき、うつぶせ状態や顔にタオルがかかっていないかチェックする。
◆午睡時は、顔のまわりにはバスタオルを敷かない。
◆午睡時は、子どもの顔が見える程度の明るさを保つ。
■遊戯室
◆技巧台、肋木など組み立てた遊具のまわりにはマットを敷き、保育士が傍につく。
◆0歳児と一緒にホールで過ごすときは、関わり方を伝える。
■園内
◆部屋の鍵は必ず閉める。
◆廊下で遊ぶ時は必ず柵をする(ついたても使用)。
■園庭
◆鉄柵が閉まっていることを確認する。
◆砂や草等を口に入れないように注意する。
◆スコップの使い方や、砂場での遊び方を伝える(人に砂をかけない等)。
◆滑り台、ネットクライミング、鉄棒等で遊ぶ時は、危険のないように保育士が傍につく。
■散歩
◆2名以上の保育士が引率する。
◆ワゴン、ベビーカーからの乗降時にはブレーキをかけ、落下にも気を付ける。
◆ワゴンでの移動中口元などぶつけないよう気を付ける。
◆たばこ、石や虫、棒、ゴミ等落ちているものを口に入れないように特に注意する。
◆園児が拾い、持つ棒等に注意する。
3.うさぎぐみ(2歳児クラス)
① 2歳児の特徴
動きも活発になり、「なったつもり」で走り回る。また、高いところに登ったり飛び降りたりする。危険に対する判断力がなく、禁止すると一時的には止められるが、同じ事を繰り返す。友だちのまねが好きで連れ立って遊ぶことが多くなる。
② 保育中の注意事項
ここでは、保育中の注意事項を各場面ごとに示すが、保育士が確実に実施する項目を◆、園児に保育の中で伝えていく項目を◇で区別した。
■室内
◆興奮して走っているときは止める。
■遊戯室
◆肋木、斜面板、技巧台、鉄棒等高さを伴う遊具を設置するときは、周りにマットを敷き、危険がないよう適切に保育士を配置する。
◆保育士は、死角も含めて常に子どもを見渡せる位置に分かれてつくようにし、子どもひとりひとりの動きの把握に努める。
◆遊具の出し入れ時、子どもは一か所に集まっているように促す。
■園庭
◆滑り台では反対のぼりをしない等、滑り方を繰り返し伝える。
◆死角も含めて常に子どもを見渡せる位置に保育士は分かれてつくようにし、子ど
もひとりひとりの動きの把握に努める。
◆固定遊具で子どもが遊んでいる場合は、そこに必ず保育士はつく。
■散歩
◆2名以上の保育士が引率する。
◆移動時、遊んでいる時等、その都度必ず人数確認をする。
◆子どもの動くスピードに差はあるが、先頭と最後尾が離れすぎないように確認しながら進む。
◇前後の保育士の間を歩く。
◇横断歩道、車の多い通りでは手をつなぐ。
4.ぱんだ組(3歳児クラス)きりん組(4歳児クラス)
らいおん組(5歳児クラス)+異年齢クラス(3~5歳)
① 3~5歳児の特徴
〈3歳児〉
「何だろう」「自分でやってみたい」という疑問や好奇心、挑戦意欲が旺盛になり、行動範囲が広がる。大きい子の真似をしたり、こんなこともできるんだとばかりに自信を持ち、何でもやりたがる。友達といると安心し、求めるようになる。その分、友達の行動に動かされやすく、いたずらといわれるようなことや、危ないこと、やってはならないことを真似したがる。
〈4歳児〉
集団、ゲームあそびを楽しめるようになってくるが、まだ手加減はできないことや
自分の思いが強いため、子ども同士のトラブルになる。冒険心や探求心が育つ時期なので、友達の行動を見て自分もできると思ってやってみるが、実際はうまくできないこともあって事故につながる。危険性を話題にしていくと、子ども同士でも注意しあうようになる。
〈5歳児〉
集団的な活動を通して、生活のきまりやあそびのルールを話し合いの中で作り守ろうとする。大人や仲間のことば掛けによって、自分の行為を調整することができる。周囲の状況を判断する力はあるが、友達と一緒にいることが自信につながり、力以上のこともやろうとする。
② 保育中の注意事項
ここでは、保育中の注意事項を各場面ごとに示すが、保育士が確実に実施する
項目を◆、園児に保育の中で伝えていく項目を◇で区別した。
異年齢クラスの場合は、同じ空間で3~5歳児が一緒に過ごすため、身体の違いや動きの違い等に保育士が注意するとともに、子ども達にも伝える。年齢の特徴や発達を考慮して、遊ばせ方や遊ぶ場所を選ぶ。
■室内
◆静的な遊びと、動的な遊びを同時に設定しない。
◆棚の上には重い物は上げないようにすると同時に落ちないようにする。
◆園児の手の届く範囲に、危険な物を置かない。
◇トイレのペーパーホルダーや便器に上らない。
◇トイレの扉にぶら下がらない。
◇暖房のスイッチをいじらない。
◇網戸を押さない。
◇吊り戸棚にぶら下がらない。
◇コート掛けに乗らない。
◇テーブルの下に入らない。
◇階段から物を投げない。飛ばない。手すりに上らない。
■遊戯室
◆体育用具を設置する場合は、養生テープでとめて崩れないようにする。
◆布団の出し入れを行うときには、必ず保育士がつく。
◇重ねた積み木には上がらない。
■園庭
◆滑り台では反対のぼりをしない等、滑り方を繰り返し伝える。
◆サッカーゴールは、ボールが外れた際に駐車場に出ない向きで設置する。
◇三輪車の立ち漕ぎはしない。
◇ベンチの上に立たない。渡らない。
◇タイヤは立って渡らない。
◇砂を持ち出さない。
◇園庭を掘らない。
◇縄跳びは跳ぶ。汽車遊びは可。
◇砂や石を投げない。
■散歩
◆2名以上の保育士が引率する。
◇目的地までは手を繋ぐ。(北の散歩道や学園通りを除く)
5.プール使用時の安全対策、注意事項(2~5歳児クラス)
① プール使用の条件
・外気温が23℃以上であること。
② プール管理の手順
・プールを使用する前に流水で身体の汚れを落とす。
・水位は小プール20㎝、大プール50㎝程度とする。
・大プールは消毒液を投入し、残留塩素濃度をはかる。(0.4ppm~1.0ppmの範囲で)
・プール使用後は流水で身体の汚れを落とす。
・プール清掃後は出入り口を閉める。
※プールの水は毎回交換する。
③ 子どもの健康管理
・子どもの健康状態(熱の有無、感染症等)を保護者から聞く。
・プールに入る前に、保育士が再度健康状態をチェックする。
※水イボのある子どもは、接触しないよう個別で遊ぶ。
④ プール遊び前の準備
・トイレをすませ、鼻が出ている場合は鼻をかむ。
・3歳児クラス以上は、水着と水泳帽を着用する。
・準備体操をする。
・温水シャワーを全身にかける。
⑤ プール遊び終了後
・全身を温水シャワーで流す。
・うがいをする(4~5歳児)
⑥ プール使用時の注意事項
ここでは、プール使用時に保育士が実施する項目を◆、園児に伝えていく項目を◇で区別した。
◆オムツの外れていない子は、プールの中には入れず、個別で遊ばせる。
◆水位が50㎝程度であることを確認する。
◆プール内を子どもだけにはしない。
◆監視体制の空白が生じないように専ら監視を行う者とプール指導等を行う者を分けて配置し、また、その役割分担を明確にすること。
◆監視者は監視に専念する。
◆監視エリア全域をくまなく監視する。
◆動かない子どもや不自然な動きをしている子どもを見つける。
◆規則的に目線を動かしながら監視する。
◆持ち場から離れる場合には、必ず他の保育士に声をかけてから離れる。
◆十分な監視体制の確保ができない場合については、プール活動の中止も選択肢と
する。
◆時間的余裕をもってプール活動を行う。
◇プールのふちは登らない、腰掛けない。
◇他の子どもを押さない。
◇飛び込まない。
◇水を飲まない。
◇大プールは階段から出入りする。
◇階段に座らない。
◇プールの周りは走らない。
(0~1歳児の水遊び)
◆1人ずつたらいを使用する。
◆たらいは個人使用とし、共用しない。
◆温水を使用し、消毒液は使用しない。
◆必ず傍に付き、目を離さない。
6.食物アレルギーについて
アレルギー食(除去食)について
保育園では早期からアレルギーを考慮した離乳食を実施している。また、食品の安全性が問題になっているなか、添加物や化学調味料等をなるべく使わず、新鮮で安心できる食品を使用して、給食を提供している。
・劇症型(注1)の園児の受け入れは、原則として1クラスに1名までとする。(応状況(注2))。
注1)「劇症型」とは、「ショック症状を伴い、場合によっては死に至る可能性のあるもの」
注2)「劇症型」であっても除去品数が少なく、対応が困難でない場合は2名以上受け入れることもある。
除去食を始めるにあたって
◆アレルギー児の把握
・3月の入園時オリエンテーションにおいて、アレルギー児に対して個別に説明する。
・年度途中で入園してきたアレルギー児に対しては、入園時に三者面談を行う。
・0歳児クラスのアレルギー児に対しては、離乳食から幼児食へ移行前に、三者面談を行う。
◆除去品目の把握
・除去食対象児は、定期的に診断を受け、医師の指示を保護者が保育園に報告する。
・医師の指示により、除去食物の増減があった場合は、保護者はその都度給食室と保育士の両者に報告し、診断書を園に提出後、三者で面談する。
・医師の指示を受け新しい食品を負荷する場合は、家で試食してから保育園で取り入れる。新しい食品を試食した場合は、保護者は食品名、摂取量等をその都度給食室と保育士の両者に口頭で報告する。
除去食の進め方
(1) 栄養士・調理員の注意事項
◆栄養士・調理員が注意すること
・栄養士は、除去食品、代替食品を記入した献立表を月末に、翌月分を保護者に渡し、対象クラスにも配布する。
・保護者は献立表の内容をチェックする。内容に問題があった場合は、速やかに栄養士に申し出る。
◆配膳時の注意事項
・除去食は、一般食よりも先に配膳する。
・アレルギー児の食事は、1つ1つの食器にラップをかけて個別に名前を記入し、アレルギー対応していないメニューも含めてすべて、アレルギー児の名前を書いたプレートと除去対象の献立のプレート(「主食別」など)を個別のお盆に載せる。
・代替食は、保育園の食器に移し替え、ラップをかけて名前を記入する。
◆土曜保育時の注意事項
・土曜保育前日に、保育の園児を確認して給食室との連絡を徹底する。
(2) 保育士の注意事項
◆給食時の原則
・配膳前には、メニュー別に除去献立表を読み上げ、クラスで確認する。
・アレルギー児(特に劇症型園児)がいる場合は、担当保育士は出来るだけそばを離れない。
・給食時に持ち場を離れる場合は、必ず他の保育士に声を掛ける。
・どの保育士が見てもわかるように、アレルギー児の献立表を掲示する。
・通常と異なる状況下にある場合や除去食解除の時等、違和感を感じたときは必ず除去食献立表で再確認し、給食室にも確認する。
・アレルギー児ごとに台拭きを色分けして使用する。
・ラップは食べる直前まで取らない。
・トレーから食器は下ろさない(トレーのまま食事する)。
・担当保育士が休みの場合は、引継ぎを徹底する。
・新任職員が入る場合には、指導、引継ぎを徹底する。
◆配膳時の注意事項
・アレルギー児は、必要に応じて一定の場所または把握しやすい場所に座らせる。
・アレルギーの園児が多い場合や劇症型の園児がいる場合は、テーブルを分けて食べる。
・ミルクを間違えないように名札を付ける。
・0歳児及び1歳児クラスのアレルギー児の給食は、保育士がラップ(プレート)の名前と献立表で内容をチェックした後、個別のテーブル付き椅子に配膳する。
・2歳児~5歳児クラスのアレルギー児の給食は、保育士がラップ(プレート)の名前と献立表で内容をチェックした後、各アレルギー児に除去食を載せたお盆毎配膳する。
・除去食は、アレルギー児の状況に応じて、配膳とともに保育士が傍に付く。
・異年齢保育時には、「自分でやりたい気持ち、やってあげたい気持ち」を尊重しながらも、配膳やおかわりの盛り付けが子ども同士のみで行われないように確認する。
◆除去食献立表以外の食物を食べさせる場合の注意事項
・保育士同士で、食べさせて良いか否か、必ず食品名で確認する。
・新たに食物を用意する場合は、全員が食べられる物を用意する。
◆土曜保育時の注意事項
・土曜保育前日に、出席園児を確認し、アレルギー児の変更があった場合は給食室に連絡する。
◆クッキング保育を行う場合の注意事項
・担当保育士は予め保護者に食品が食べられるか否かの確認を行い、クッキング保育計画書を園長と給食室に提出する。
・食材の発注を給食室が行う場合は、前の週の火曜日までに、給食室からの食器の借用は前日までに届け出る。
・クッキング保育の日程は、事務室内のホワイトボードに記入する。
・原則として、加工品については家庭からの持参は行わない。
(3) 誤食した場合の対応
間違いに気づいたら、すぐに園長、主任に報告する。
・園長、主任は状況を把握(誤食した園児の全身状態を観察して、食物アレルギーの発作が起こったか確認する)し、保護者に連絡するとともに、状況に応じて病院へ連絡し、指示に従う。
・保護者への初回連絡時には、症状の程度に関わらず、発作の有無・推定摂取量・経過時間を必ず報告する。
・全身に発疹が出たり、呼吸困難を伴う等重度の発作の場合は、速やかに病院へ搬送する。
・エピペンを園で保管することを保護者から要請された場合は、投薬依頼書に基づき、その子に対して処方されたものに限って預かるものとする。また、使用のタイミングについては、子どもの重症度や既往によって差がある場合があるので、保護者と確認をしておく。
以上