わかば保育園園児二名の石狩川転落事故について

わかば保育園園児二名の石狩川転落事故について
2021年3月19日(金)
社会福祉法人わかば会

2021年3月9日(火)10時44分頃、旭川市川端町5条9丁目旭西橋上流の石狩川右岸(旭川西高側)で、園児2名の川への転落事故が発生しました。すぐ一人の保育士が119番に電話しました。2名とも約12分後に到着した消防レスキュー隊に救助され、2台の救急車でそれぞれ旭川医大病院に搬送されました。児童には大変恐ろしい思いをさせてしまいましたが、幸い怪我もなく命を助けることができました。
 保育園として、今回のような命に関わる重大事故を起こしたことを、保護者の皆様をはじめ多くの皆様に心よりお詫び申し上げますとともに再発を防止するため、しっかり検証し、対策をたてていきます。

事故に至る事実経過

(1) 当日は天候も晴で気温1度と外遊びに適しており、かねてから計画していた石狩川堤防の斜面でコメ袋による尻すべりを行なうこととしました。最年長児クラス(6歳で4月に小学校へ進学)の子ども24名のうち、当日欠席した1名を除く23名で、保育士2名が引率して現地へ向かいました。
楽しく手をつないで滑り降りたりしていましたが、当日はプラスの気温だったため、滑りが悪くつないだ手が離れたり、途中で止まったりしていました。

(2) そこで、保育士が荷物運搬用のソリ(1台だけ飲料水とコメ袋を運ぶため持参していた)で滑ると楽しいのではないかと考え、前に1名・後ろに2名の3名で、ソリ滑りをしたところ、右側へL字型に曲がって止まりました。子どもたちはそれを面白がり乗りたいとジャンケンをしました。
2回目に乗った3名は、堤防下の歩くスキーコースに止まらず、ゆるゆると川へ向かって行きました。保育士が追いかけましたが届きませんでした。後ろの男の子は、危険を感じ自ら降りましたが、女の子2人は、川へ転落しました。
現地は斜面下から川岸まで約20mあり、夏にはランニングコース、冬には歩くスキーコースとなっています。当園では長年この場所で、コメ袋による尻滑りをしていましたが、ソリで滑ったのは初めてでした。

(3)一人は約15m下流の川岸の木の枝に手袋が脱げ素手で捕まり、腰くらいまで水につかって泣きながらも頑張っていました。もう一人は保育士が川岸を歩くくらいの速さで川を流されていきました。保育士が「手足をばたばたしないで、上をむいて静かに!」と叫ぶと、つなぎの防寒着が、浮き輪代わりとなり上をむいて約5分間で約70m流されました。
 保育士の一人は、枝に掴まっている児童を励まし、近寄って来る他の児童を川へ近づけないように注意しながら、スマホで消防署に状況を伝え続けました。もう一人は、流されている児童と同じ速度で歩きながら児童に「必ず助けるからね。頑張って」と声をかけ続けました。
駆けつけてくれた中年の男性が川へ入り、流されている児童を、立ち泳ぎで近づき襟首をつかまえ抱きよせて岸の浅瀬に立ち、事故から12分後に到着した消防隊に救出されました。川岸から直角に反り立っている積雪の高さは2~2.5m(消防署調べ)あり、消防隊がくるまで、待っていて助けられました。
その後、川岸の枝につかまっていた児童も消防隊に助け上げられました。二人は救急車で運ばれた旭川医大病院に入院し、翌日退院しました。

園児二人は全身に冷たい水をあび、川を流され、大変恐ろしい思いをしましたが、川に入り助けてくださった方やレスキュー隊はじめ多くの皆さまにより命を助けていただいたことに心から感謝申し上げます。

今回は、斜面下の「歩くスキーコース」のところでソリが止まると誤認して、これまで使用してこなかったソリで滑ったことが直接の原因でした。
私たちは今回の事故を重く受け止め二度と起こさないためにこれまでの保育活動を点検し「保育園は子どもにとってもっとも安全なところ」の実践に向け次のようなことを行うことを決めました。

安全対策を万全にする

園児の園内の事故(例えば遊具にぶつかり、口内から出血)などの事例について、その都度職員会議で原因と対策を話し合ってきました。しかし、子どもの“小さな”事故はある程度仕方ないとの気持ちがなかったか、痛烈に反省しなければなりません。経営者・管理者を先頭に、全職員で「“小さな”事故も起こさない」との決意のもと、「保育園は子どもにとって最も安全なところ」の取り組みに全力をあげます。
(1)堤防のところで、コメ袋による尻滑りやソリ滑りを中止します。
(2)職員会議とは別に、事故調査委員会を事故があった場合はもとより、事故がない場合でも年間に2回は開催し、全ての年間行事(運動会・遠足など)に潜む危険性を洗い出します。その結果を文書にして理事長に報告し、さらに全職員へ周知し、安全意識の徹底と安全への決意を新たにします。
(3)災害時の連絡ルート図をわかりやすい場所に掲示します。
(4)保育園付近の「お散歩マップ」に交通事故の危険や蜂の巣があるなどの具体的な危険を貼り付けて、わかりやすい場所に掲示します。
(5)職員から「標語・イラスト」を募集し、園だより「どろんこ」や掲示で、職員で共有します。
(6)朝のミーティングを部門ごと短時間でも行い、当日の保育計画の安全を確認します。
今後も一層の安全対策について、全職員で検討を進めながら子どもたちの心と身体の発展を支える保育を理事会・職員が心ひとつにして再出発することをお約束します。

保護者の皆さまから、日常の保育で気づかれたことや気になることなど、ご意見を
お寄せいただけますと深甚です。よろしくお願い申し上げます。      以上

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